【ハザードマップから見る】浜松市で水害に強いエリアと家づくりのコツ
皆様、こんにちは。
浜松市、豊橋市、静岡市を中心に、建築士とつくる地震に強い注文住宅のご提案をしている幸和ハウジングです。
皆様、家づくりを計画するにあたって自然災害への関心が非常に高まっているのではないかと個人的には感じています。
年始の能登半島地震もあり、皆様の住宅の耐震性への理解も徐々に深まっております。
耐震性については、こちらのコラム、▷ 木造で地震に強い家を建てるには?にて詳しく取り上げさせて頂きましたので、是非ご覧いただければと思いますが、今回は、地震ではなく、水害についてフォーカスしていきたいなと思います。
自然災害は地震だけではありません。
台風15号による影響で、局地的な豪雨をもたらす「線状降水帯」が相次いで発生するなど記録的な大雨となりました。
近くの河川が今まで見たことない高さまで嵩が上がっている姿や、道路が冠水し、交通機能がストップしている姿を目の当たりにした時に、「このまま降り続けたらどうなってしまうのだろう・・・」と危機感を覚えたのを今でも思い出します。
天竜区では、橋が川の増水により破損してしまうなど、甚大な被害がありました。
浜松市内の住宅の被害規模としては、床上浸水63棟、床下浸水1,689棟の計1,752棟に浸水被害が出て、
住宅の一部損壊が1棟、全壊が2棟の被害がありました。
データ参照元:https://www.pref.shizuoka.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/043/807/houdouteikyou30.pdf
台風2号や前線の影響で、局地的な豪雨をもたらす「線状降水帯」が相次いで発生するなど記録的な大雨となりました。
避難情報で最も高い警戒レベル5の「緊急安全確保」が出されるなど、各地で緊迫した状態が続きました。
浜松市内の住宅の被害規模としては、床上浸水34棟、床下浸水135棟の計145件が浸水の被害が出て、
住宅の一部損壊が7棟、全壊が5棟の被害がありました。
データ参照元:https://www.pref.shizuoka.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/035/881/230616saitai.pdf
▷ 天竜川流域洪水ハザードマップ(北側)
天竜川が氾濫した場合、かなりのエリアに被害が及ぶことがハザードマップ上では予想されています。
特に天竜区の二俣周辺のエリアは、赤やオレンジに染まっているのが分かるかと思いますが、10m以上の浸水エリアになっています。
自然豊かで、土地価格も安いので、新築も多く立ち並んでいるイメージはありますが、緊急避難場所等を事前に把握しておくなど万が一の際の心構えを絶対にしておく必要があると思います。
また中央区(旧東区)に関しては、天竜川の周辺は3.0m以上の浸水が予想されています。
天竜川の流域はかなり広く、この流域全体にかなりの大雨(1000年に一度レベル)が降らない限りは、基本的には氾濫することはないので、神経質になりすぎる必要はないかもしれませんが、何が起こるかわかりませんので、土地選びの際は頭に入れておいてもいいかもしれません。
都田川流域に関しては、岡地駅、金指駅、常葉大学前駅、都田駅周辺が5.0m以下の浸水が予想されています。
都田川流域は、住宅や生活利便施設が多く集まったエリアですので、仮に浸水があった場合の被害も甚大なものが予想されます。
浜名湖にも面したエリアになりますので、高潮や津波の警戒も怠ってはいけません。
都田川流域は比較的、水害のリスクは高いと言えるかもしれません。
天竜川のすぐ西側に位置する安間川ですが、2.0m以下の浸水被害が安間川流域の広いエリアで予想されています。
近年の豪雨でも、長上地区や笠井地区中心に浸水の被害が見受けられています。
安間川は流下能力が低く、水位が上昇しやすいことと、大規模既存集落制度等の利用で、農地の宅地化が特に進んでいるエリアでもある為、保水機能が低下し、雨水の流出量が増加していることが原因とされています。
このエリアでの建築を検討される際は、浸水対策はしっかりと行う必要があると言えるでしょう。
①盛り土をする
敷地内に土を入れて、敷地自体の高さを上げます。
そうすることで、敷地内への浸水リスクを減らすことができます。
ただ、土を入れる費用や、入れた土が外にこぼれないようにブロックや擁壁を設ける費用がかかってきますので、しっかりと見積を取っておくことをおすすめします。
②基礎高を上げる
敷地の高さを上げることも有効的ですが、建物の基礎の高さを上げるという方法もあります。
基礎の高さを上げることで、地面から1階の床面までの高さをあげることが出来るので、床上浸水のリスクを軽減させることが出来ます。
簡単な断面図を書いてみましたが、赤字の基礎高を上げるイメージです。
一般的には、約40cmくらいに基礎高が設定されているケースが多いです。
基礎高を上げると、基礎のコンクリートの量が増えるのと、コンクリートを流し込むための型枠も通常より高さが高いものを使用しなければならない為、費用的には上がってしまいます。
ただ盛り土をして擁壁を作ることまで考えたら費用的には、基礎高を上げる方が安くすむかもしれません。
こちらも住宅会社さんに相談して見積を出してもらいましょう。
▼【断面図】
③2階LDKを採用する
居室スペースを1階にまとめて、2階にLDKを配置することで、仮に1階が浸水しても、メインの居住スペースは2階に確保できている為、最低限の生活環境は確保することができます。
家具や家電等の被害も最小限に抑えることが出来ます。
陽当たりやプライバシーの面でも2階LDKのメリットはかなりありますが、老後の階段の上り下りを考えると将来的に使いづらくなるリスクもあります。