【浜松市】防潮堤の完成で家づくりはどう変わるのか?
皆様、こんにちは。
浜松市、豊橋市、静岡市を中心に、建築士とつくる地震に強い注文住宅のご提案をしている幸和ハウジングです。
唐突ですが皆さん、来月の11/5は何の日かご存じですか?
毎年11/5は、「津波防災の日」と制定されています。
この日は、1854年の安政南海地震による津波が和歌山県を襲った際の、「稲むらの火」の逸話にちなんでいて、全国各地で、津波防災の日を中心に地震津波防災訓練が行われます。
ここ数か月は、自然災害の脅威を感じる機会が多く、防災グッズを用意したりと、
改めて防災意識を高めた方々も多いのではないでしょうか?
8/8に発令された南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)に引き続き、
台風10号による浸水被害や土砂崩れなど県内でも多くの被害が見られました。
家づくりを検討されている皆さまも、災害に強い家づくりというのが
ひとつ大きなキーワードになっているのかなと感じています。
今回は、2020年に浜松市の遠州灘海岸沿いに完成した防潮堤によって、浸水エリアはどう変化したのか?
それによって土地探しや家づくりのポイントはどう変わるのかなど、少し考察していければと思います。
目次
防潮堤とは
浜松市にお住まいの方は、遠州灘海岸沿いに防潮堤が出来たのはご存じかと思います。
しかし防潮堤がどんな役割を担っているのか皆さんご存じですか?
少し簡単にご説明したいと思います。
もし津波が起こった際はこの「防潮堤」が、津波を食い止め、皆さんの命を守る役割を果たしてくれます。
しかし、津波はこの防潮堤を乗り越え、市街地まで流れ込んでくる可能性を忘れてはいけません。
東日本大震災では、岩手県宮古市における高さ10.65m、総延長2.4kmの巨大防潮堤も“想定外”の大津波を食い止めることはできませんでした。
「防潮堤」があるから大丈夫。そんな油断をしていた人も少なくなかったと言います。
しかし、この「防潮堤」が無ければ救えなかった命がたくさんあったと言います。
「防潮堤」が住民が避難する時間を稼ぐ役割を果たし、人やがれきが沖に運び去られることを防ぎました。また防潮堤内の海水が抜けずにプールのようになっていたため、家の2階から助け出された人や屋根に上って助かった人がいたのも事実でした。
「防潮堤」があることで、津波被害は大きく抑えることができると言えそうです。
防潮堤と防波堤の違い
「防潮堤」についてはなんとなくご理解が頂けたかと思いますが、よく聞く「防波堤」とは何が違うのでしょうか?
浜松防潮堤


防潮堤による効果

https://env1.hbosai.com/shinsui/
スマートフォンからもご覧いただけますので、是非ご確認ください。
このマップでは防潮堤完成前と完成後の津波浸水エリアを確認することができ、
一目で分かるように完成前と完成後のマップを並べてみました。
防潮堤完成前は、かなり北側まで浸水が想定されていたことが分かります。
旧南区では瓜内町周辺。旧中区では森田町周辺、旧西区では入野町周辺まで色付のエリアが広がっています。
では、防潮堤完成後はどうでしょうか?
国道一号線を境に、それより北側がほぼ浸水エリアに入っていないことがわかります。
防潮堤の完成でかなり広大なエリアの被害が抑えられると言えるでしょう。
また特筆すべき点は他にもあって、国道一号線よりも南のエリアの変化です。
防潮堤完成前は、2.0m~5.0mの浸水深が想定されておりましたが、防潮堤完成後は、ほとんどが2.0m未満に抑えられています。
この2.0mが木造住宅が倒壊する一つのボーダーになります。98%が2.0m未満に抑えられているということは、家づくりにおいても大きなポイントになるかもしれません。
ただ、津波は深さ30cmでも人が立つことが困難。1.0mにもなると車が浮いてしまいます。
津波での倒壊は防げたとしても、流れてきた車や瓦礫により建物が損傷する恐れがあることは忘れてはいけません。
国道一号線より南側のエリアもかなり安全になったとはいえますが、それでもいまからこのエリアで土地探しをしていくという方には、上記のようなリスクがあることは把握したうえで、浸水深マップをしっかりと確認して判断をして頂きたいなと思います。
逆に、津波を心配して旧北区や旧浜北区で土地を探されていた方は、この浸水深マップをもとに少しエリアを広げてみてもいいかもしれません。
家づくりにかかる費用が年々上がっていく中で、土地にかけられる費用も限られてきます。
旧北区や旧浜北区は、坪単価も高く、調整区域の土地も多いため、一般宅地は競争率も高い上に費用もそれなりにかかってきます。
100点満点の土地はいくら待っていても出てこないので、土地探しで悩まれている方は、エリアの優先順位を一度検討し直してみましょう。
あとは津波だけではなく、河川の洪水も視野に入れておく必要があります。
下記のコラムで、水害のエリアについて詳しく触れていますので、良かったらご覧になってください。
【ハザードマップから見る】浜松市で水害に強いエリアと家づくりのコツ
今回、防潮堤についてまとめてみましたが、防潮堤の有無でこんなにも浸水の被害エリアが変わってくるのかと驚いた方も多いかと思います。
自分自身、浜松の防潮堤の存在は把握しておりましたが、ここまでの規模感と性能のモノだとは正直思っておりませんでした。
南海トラフ地震が起こった際の被害想定がトップクラスの静岡県ということで、市民、企業、行政含め多くの方々の尽力があって完成に至ったと思うと改めて、建設に携わった多くの方々に感謝をしなければなと感じました。
ただ防潮堤があるから大丈夫という考えは、絶対に捨てなければいけません。
過去の教訓を活かし、最悪の事態を想定して高台への避難ルートや避難施設を事前に確認したうえで、
津波が来たらすぐに避難するということを念頭に置いておきましょう。
また浜松市の浸水深マップを見たことなかったという人も多いかもしれません。
これを見てどう感じるかは人それぞれですが、見たことで、家づくりや土地探しの幅がいままでより広がるのは間違いないかと思います。
過去のコラムで、木造住宅の耐震性についてや、水害に強い家づくりのコツを取り上げていますので、
気になる方はご覧になってみてください。
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