コラム column

【ハザードマップから見る】浜松市で水害に強いエリアと家づくりのコツ

 

皆様、こんにちは。

浜松市、豊橋市、静岡市を中心に、建築士とつくる地震に強い注文住宅のご提案をしている幸和ハウジングです。

 

皆様、家づくりを計画するにあたって自然災害への関心が非常に高まっているのではないかと個人的には感じています。

 

年始の能登半島地震もあり、皆様の住宅の耐震性への理解も徐々に深まっております。

耐震性については、こちらのコラム、▷ 木造で地震に強い家を建てるには?にて詳しく取り上げさせて頂きましたので、是非ご覧いただければと思いますが、今回は、地震ではなく、水害についてフォーカスしていきたいなと思います。

 

自然災害は地震だけではありません。

 

 

目次

 

 

浜松市における近年の被害状況

2022年9月 台風15号による豪雨

台風15号による影響で、局地的な豪雨をもたらす「線状降水帯」が相次いで発生するなど記録的な大雨となりました。

近くの河川が今まで見たことない高さまで嵩が上がっている姿や、道路が冠水し、交通機能がストップしている姿を目の当たりにした時に、「このまま降り続けたらどうなってしまうのだろう・・・」と危機感を覚えたのを今でも思い出します。

天竜区では、橋が川の増水により破損してしまうなど、甚大な被害がありました。

 

浜松市内の住宅の被害規模としては、床上浸水63棟床下浸水1,689棟計1,752棟に浸水被害が出て、

住宅の一部損壊が1棟全壊が2棟の被害がありました。

 

データ参照元:https://www.pref.shizuoka.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/043/807/houdouteikyou30.pdf

2023年6月 台風2号による豪雨

台風2号や前線の影響で、局地的な豪雨をもたらす「線状降水帯」が相次いで発生するなど記録的な大雨となりました。

避難情報で最も高い警戒レベル5の「緊急安全確保」が出されるなど、各地で緊迫した状態が続きました。

 

浜松市内の住宅の被害規模としては、床上浸水34棟床下浸水135棟計145件が浸水の被害が出て、

住宅の一部損壊が7棟全壊が5棟の被害がありました。

 

データ参照元:https://www.pref.shizuoka.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/035/881/230616saitai.pdf

 

ハザードマップから見る浸水エリア

天竜川流域

天竜川流域洪水ハザードマップ(北側)

 

天竜川流域洪水ハザードマップ(南側)

 

天竜川が氾濫した場合、かなりのエリアに被害が及ぶことがハザードマップ上では予想されています。

特に天竜区の二俣周辺のエリアは、赤やオレンジに染まっているのが分かるかと思いますが、10m以上の浸水エリアになっています。

自然豊かで、土地価格も安いので、新築も多く立ち並んでいるイメージはありますが、緊急避難場所等を事前に把握しておくなど万が一の際の心構えを絶対にしておく必要があると思います。

また中央区(旧東区)に関しては、天竜川の周辺は3.0m以上の浸水が予想されています。

 

天竜川の流域はかなり広く、この流域全体にかなりの大雨(1000年に一度レベル)が降らない限りは、基本的には氾濫することはないので、神経質になりすぎる必要はないかもしれませんが、何が起こるかわかりませんので、土地選びの際は頭に入れておいてもいいかもしれません。

 

馬込川流域
 
馬込川がもし氾濫した場合は、天竜川ほどの被害想定ではありませんが、馬込川沿い赤電沿いのエリアに関しては、2.0m以下の浸水が想定されています。
天竜川と馬込川のハザードマップを見ると、赤電より西側のエリアは高台に位置しているということもありますが、比較的安全であると言えます。
個人的にですが、高丘、初生、三方原などのエリアは今も根強い人気がある印象があります。
 
芳川流域
 
芳川に関しては、馬込川と近い位置関係にある為、浸水エリアもおおよそ被っています。
全体的に2.0m以下の浸水が予想されています。
天竜川、馬込川、芳川の浸水エリアを避けようと思うと、なるべく西か北方面に絞るべきと言えるでしょう。
旧中区でいうと、和合、富塚、鴨江、泉町周辺が比較的安全そうです。
ただ豪雨による水害は、浸水だけでなく土砂災害にも注意しなくてはいけません。
上記のエリアは崖条例や土砂災害警戒区域が絡んでくる場合もあるので、土地探しの際は、そこも注意していく必要があります。
 
都田川流域

 

都田川流域に関しては、岡地駅、金指駅、常葉大学前駅、都田駅周辺が5.0m以下の浸水が予想されています。

都田川流域は、住宅や生活利便施設が多く集まったエリアですので、仮に浸水があった場合の被害も甚大なものが予想されます。

浜名湖にも面したエリアになりますので、高潮や津波の警戒も怠ってはいけません。

 

都田川流域は比較的、水害のリスクは高いと言えるかもしれません。

 

安間川流域

 

天竜川のすぐ西側に位置する安間川ですが、2.0m以下の浸水被害が安間川流域の広いエリアで予想されています。

近年の豪雨でも、長上地区や笠井地区中心に浸水の被害が見受けられています。

安間川は流下能力が低く、水位が上昇しやすいことと、大規模既存集落制度等の利用で、農地の宅地化が特に進んでいるエリアでもある為、保水機能が低下し、雨水の流出量が増加していることが原因とされています。

このエリアでの建築を検討される際は、浸水対策はしっかりと行う必要があると言えるでしょう。

 

 

水害リスクに備える家づくりの方法

①盛り土をする

敷地内に土を入れて、敷地自体の高さを上げます。

そうすることで、敷地内への浸水リスクを減らすことができます。

ただ、土を入れる費用や、入れた土が外にこぼれないようにブロックや擁壁を設ける費用がかかってきますので、しっかりと見積を取っておくことをおすすめします。

 

②基礎高を上げる

敷地の高さを上げることも有効的ですが、建物の基礎の高さを上げるという方法もあります。

基礎の高さを上げることで、地面から1階の床面までの高さをあげることが出来るので、床上浸水のリスクを軽減させることが出来ます。

簡単な断面図を書いてみましたが、赤字の基礎高を上げるイメージです。

一般的には、約40cmくらいに基礎高が設定されているケースが多いです。

基礎高を上げると、基礎のコンクリートの量が増えるのと、コンクリートを流し込むための型枠も通常より高さが高いものを使用しなければならない為、費用的には上がってしまいます。

ただ盛り土をして擁壁を作ることまで考えたら費用的には、基礎高を上げる方が安くすむかもしれません。

こちらも住宅会社さんに相談して見積を出してもらいましょう。

 

▼【断面図】

 

③2階LDKを採用する

居室スペースを1階にまとめて、2階にLDKを配置することで、仮に1階が浸水しても、メインの居住スペースは2階に確保できている為、最低限の生活環境は確保することができます。

家具や家電等の被害も最小限に抑えることが出来ます。

陽当たりやプライバシーの面でも2階LDKのメリットはかなりありますが、老後の階段の上り下りを考えると将来的に使いづらくなるリスクもあります。

 

まとめ
改めて、近年の浸水被害の状況をまとめてみましたが、思っていたよりも多くの住宅が被害を受けていたことに驚きました。
また浸水だけでなく、場所によっては土砂崩れによる倒壊の被害も出ており、自然災害の恐ろしさを再認識しました。
 
自然災害において、我々人間は無力です。
いつ、どこで、どれくらいの規模の災害が起こるかは誰にも分かりません。
 
だからこそ油断をせずに、しっかりと対策をする。そして万が一の災害があった際の避難場所や避難経路をハザードマップを見てしっかりと確認しておく。
 
これがとても重要だと思います。
 
このコラムが、皆様の災害に強い家づくりのお役に立てれば幸いです。
 
 
・【浜松・静岡・愛知】の注文住宅の施工例はこちら!
 
・【浜松・静岡】の建売住宅の情報はこちら!
 
・【浜松・静岡・愛知】の完成見学会やまちかどモデルハウスの最新情報はこちら!
 

 

この記事の制作者
  ■ 浜松・静岡・愛知エリアにて注文住宅事業を展開し、2023年に創業50周年を
   迎える住宅会社。累計棟数約4000棟の家づくりのお手伝いをさせて頂き、
   ハウスオブザイヤーインエナジー優秀賞9年連続受賞。
  ■ 有名建築家『谷尻 誠』氏や『藤原 徹平』氏と共同プロジェクトを組み、
   モデルハウス建築の実績あり。

  文章:中安 祐大

 

お問合わせ inquiry

幸和ハウジングの家づくりに興味のある方は、
お気軽にお問い合わせください。

店舗案内 shops